2015年12月10日

イソジンが変わる?

うがい薬で有名な「イソジン」ですけど、2016年4月から塩野義製薬が販売することになったそうです。

「それが何?」なんて声が聞こえてきそうですが、実はこれまでイソジンは明治は販売していたのですが、これは明治が国内で作って売る権利をイソジンの商標を持っているアメリカのムンディファーマとの契約によって成り立っていたもので、どうやらこの契約が切れて、明治に代わり塩野義製薬が一般医薬品の独占的な販売契約を結んだのだそうです。

とは言え混乱しそうなのが、イソジンでお馴染みのカバのキャラクターは明治が引き続き使用するとのことで、イソジンと同じ成分の商品を販売するそうです。

イソジン

まぁ、これまでのイソジンと全く同じ商品の名前が代わって出てくるだけならまだしも、「イソジン」という名前の製法違いの別の商品も出てくるわけですから、消費者側の混乱は避けられないでしょうね。

これまでイソジンの効き目があった人は2014年4月以降は「イソジン」を買うのではなく、カバのパッケージの「明治うがい薬」を購入しなければなりませんし、かたや2014年4月からの「イソジン」にもカバのキャラクターを使用したパッケージが登場してくるようですから、ますます混乱しそうです。

  
タグ :イソジン


Posted by 寺島寿樹  at 14:15Comments(1)薬剤

2015年12月02日

ジェネリックの価格引き下げの方針を固まった

厚生労働省は安価なジェネリックの価格引き下げの方針を固めたそうですね。
現在のジェネリックの価格は6割となっていて、それをさらに1割安くなる5割にするのだそうです。

医療費抑制のためにジェネリックの使用促進をすすめているようですが、医療においては安いほうがいいなんて発想はあまりないのでしょうし、多くの人はジェネリックってなんぞ??と思っているのではないでしょうかね。

もちろん、安いに越したことはないのですが、意識的に高いほうが効くのではないかと思ってしまいますよね。

ちなみにそのジェネリックなんですが、一般的にジェネリック医薬品といって日本語にすると「後発医薬品」と呼ばれるものです。
なにが後発なのかというと、新薬、つまり先発医薬品の特許が切れたあとに販売されるもので、新薬と同じ有効成分、同じ効き目を持っているけれど値段の安い薬のことなのです。

薬に特許なんていらないだろっ!って思われるかもしれませんが、実は先発医療品を作るためには開発費、製造費のコストが数百億円というとてつもない費用がかかってしまいますし、また完成までに10年ほどの期間もかかってしまいます。

なので、特許という形で独占権を与えてもらわなければ、到底やっていけないものなのです。

そして、その特許期間が終わることにより、その製造方法が無料で開放され、みなの共有財産となるのです。

ちなみに2013年でのジェネリックの普及率は46.9%とのことで、政府はこの数字を80%までの普及率にしたいのだそうです。

ここまで書くと、ジェネリックっていいことづくめのようですが、それにも関わらず普及率が一向に伸びてこないのには理由があって、「先発医療薬=ジェネリック医療薬」というわけではないからなのです。

なかには新薬からジェネリックに変えて、薬の効きが悪くなったというような例もあり、一概に安くて同じものなのだという認識は危険です。
中には粗悪な品質管理体制なジェネリックメーカーもありますし、信頼度で言えば、先発医療薬にはかないません。

やはり開発・研究・製造・検証にお金をつぎ込んだ先発薬と、それを真似るだけのジェネリックでは全く同じものができるというわけではありませんよね。

まぁ、同じカレーの具材で料理しても、その料理方法の違いによって味が変わるというのと同じです。

なので、安いからといってジュネリックに飛びつくのは懸命ではありません。
先発薬とは全く別物として捉えたほうがいいのかも知れません。

  


Posted by 寺島寿樹  at 12:37Comments(0)医療