2015年12月02日

ジェネリックの価格引き下げの方針を固まった

厚生労働省は安価なジェネリックの価格引き下げの方針を固めたそうですね。
現在のジェネリックの価格は6割となっていて、それをさらに1割安くなる5割にするのだそうです。

医療費抑制のためにジェネリックの使用促進をすすめているようですが、医療においては安いほうがいいなんて発想はあまりないのでしょうし、多くの人はジェネリックってなんぞ??と思っているのではないでしょうかね。

もちろん、安いに越したことはないのですが、意識的に高いほうが効くのではないかと思ってしまいますよね。

ちなみにそのジェネリックなんですが、一般的にジェネリック医薬品といって日本語にすると「後発医薬品」と呼ばれるものです。
なにが後発なのかというと、新薬、つまり先発医薬品の特許が切れたあとに販売されるもので、新薬と同じ有効成分、同じ効き目を持っているけれど値段の安い薬のことなのです。

薬に特許なんていらないだろっ!って思われるかもしれませんが、実は先発医療品を作るためには開発費、製造費のコストが数百億円というとてつもない費用がかかってしまいますし、また完成までに10年ほどの期間もかかってしまいます。

なので、特許という形で独占権を与えてもらわなければ、到底やっていけないものなのです。

そして、その特許期間が終わることにより、その製造方法が無料で開放され、みなの共有財産となるのです。

ちなみに2013年でのジェネリックの普及率は46.9%とのことで、政府はこの数字を80%までの普及率にしたいのだそうです。

ここまで書くと、ジェネリックっていいことづくめのようですが、それにも関わらず普及率が一向に伸びてこないのには理由があって、「先発医療薬=ジェネリック医療薬」というわけではないからなのです。

なかには新薬からジェネリックに変えて、薬の効きが悪くなったというような例もあり、一概に安くて同じものなのだという認識は危険です。
中には粗悪な品質管理体制なジェネリックメーカーもありますし、信頼度で言えば、先発医療薬にはかないません。

やはり開発・研究・製造・検証にお金をつぎ込んだ先発薬と、それを真似るだけのジェネリックでは全く同じものができるというわけではありませんよね。

まぁ、同じカレーの具材で料理しても、その料理方法の違いによって味が変わるというのと同じです。

なので、安いからといってジュネリックに飛びつくのは懸命ではありません。
先発薬とは全く別物として捉えたほうがいいのかも知れません。

  


Posted by 寺島寿樹  at 12:37Comments(0)医療

2015年11月17日

475億円以上の薬がムダに?

厚生労働省の発表によると、2013年度の国民医療費は40兆円を超えたそうで、これは7年連続で過去最高を更新しているそうです。

しかも、今後もこの数字は「過去最高」を更新し続けていくようで、消費税が10%に上がったところで社会保障の財源を確保するのは難しいでしょうね。

また、日本薬剤師会の調査でも在宅の75歳以上の家に残っている残薬は年間で475億円分にものぼるとのことで、これを日本全国全ての人にするとかなりの残薬費になりそうで、これは大きな問題です。

というのも、薬代の7~8割は国民の保険料や税金から捻出されているので、残薬の無駄があればあるほど、国の財源を気付かないうちに圧迫しているということになります。

ですので、このような流れの中では、薬剤師も「調剤業務だけを行い、薬を出しておけばいい」というような考え方ではいけないでしょうね。

「薬を多めに出しておきますね」なんていうのは、親切心からくるものではあるのですが、このような無駄を薬剤師自体が冗長してはいけません。

  

Posted by 寺島寿樹  at 11:08Comments(0)医療