かかりつけ薬局

2016年02月15日

今、門前薬局からかかりつけ薬局への転換していく方向性が示されてます。

この「かかりつけ薬局」というのは、簡単に言えば、いつも利用する薬局をつくることで、処方せん薬をもらったり、薬や健康に関する相談が気軽にできる身近な薬局のことで、患者ごとに「薬歴」を作り、体質やアレルギー、どんな薬をいつごろ使用したかなどの履歴を記録・管理し、複数の医師から処方された薬を飲んでいる場合でも、同じ働きを持つ薬が重複して処方されていないか、副作用や併用している薬との相互作用はないか等がチェックできまるようになります。

錠剤

様々な医者で診断を受けている場合、いろんな薬をもらって飲まなければなりませんが、それぞれの医者が連動しているわけではありませんので、同時の飲んではいけない薬などの注意点などがあまりよくわからないことがあります。

そこで、かかりつけ薬局で服用薬を一元管理できれば素晴らしいことですよね。
とはいえ、その裏には厚労省での思惑、「患者の安全性に配慮しながら医療費を抑える」という目的もあり、一概に手放しでは喜べない部分もあります。

というのも、病院で薬を貰うことはできなくなりますから、処方された薬を貰うために、わざわざかかりつけの薬局へ行かなければならなくなります。
また、病院で薬をもらうよりも若干値段が上がることにもなるようで、それだけでなく服薬指導なども行われるため、その費用も追加されることにもなります。

まぁ、これらについては健康のためには仕方がないことだと割り切ることもできますが、地域によっては家の近くに薬局がないということも考えられますし、それ以前に必要とされる薬をおいていないなんてことにも成りかねません。

わざわざかかりつけの薬局にいったけど、必要な薬が切れていて、別の薬局で購入したなんて、本末転倒ですからね。

しかも、厚生労働省の考えでは、「かかりつけ薬局」を認定する制度を導入するそうで、そのハードルの高いこと、高いこと。
なんといっても、服薬などの一元管理なんてのは当たり前で、24時間対応、在宅対応というこれまでにはなかったものも含まれており、薬局の設備においてもパーテーションで区切られた相談窓口がなければなりません。

いや~、これブラック企業化してくださいと言っているようなものですね。
だって、既存の薬局での人員ではほぼ無理でしょ・・・。

24時間対応という部分では、薬局を24時間開ける必要はないとのことですが、時間外での相談窓口が必要だとのことで、確実に人員は必要になってきます。

なんだか日本の政治家たちって、わざわざ無駄に仕事量を増やしたがる傾向がありますね。
作業効率を高めるという考えには及ばないのでしょうかね・・・



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Posted by 寺島寿樹  at 13:09 │Comments(0)薬剤

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