2020年02月27日

有望薬「アビガン」「レムデシビル」

日本国内だけでなく全世界レベルで感染拡大が続く新型コロナウイルス。
残念なことに2月26日時点では、いまだ感染症に対しての確実な効果が確認された治療薬は存在していません。

とはいえ、ただ解決のめどが立っていないだけでなく、各国当局の臨床試験などによって、効果が期待される3つの治療薬が浮上してきたのだそうですよ。

有望薬

新型コロナウイルス感染症対策本部で、厚生労働省が一部の医療機関において治療薬「アビガン」「レムデシビル」「カレトラ」を使用した研究を始めたことを明らかにしており、実はこの3種が、現時点で最も有望薬として期待されているのだとか。

「アビガン」は、抗インフルエンザウイルス薬で、富士フイルムホールディングス傘下の富士フイルム富山化学が開発し、2014年に製造・販売の承認を得ているのですが、国が新型インフルエンザの流行に備えて備蓄する特殊な治療薬で、一般に流通はしていないとのことで、国は現時点で200万人分の備蓄を持ち、「タミフル」など既存のインフルエンザ治療薬が効かないような新型インフルエンザウイルスが流行した時に、初めて国がアビガンの投与開始を検討するということのようで、現在流通していないだけでなく、その薬価も設定されていません。

「レムデシビル」は、アメリカの製薬大手であるギリアド・サイエンシズが開発したエボラ出血熱の治療薬で、中国を視察した世界保健機関の担当者が24日、レムデシビルに対し「現時点で本当に治療効果があるとみられる唯一の薬」と発言したことで、「有望薬」として一気に注目を集めていて、米国立衛生研究所(NIH)も現地時間25日、レムデシビルを使った臨床試験を開始すると発表しています。

「カレトラ」は、抗エイズウイルス(HIV)薬として知られ、新型コロナウイルスはプロテアーゼの働きを借りるとされており、同じコロナウイルスであるSARSの原因ウイルスに対しても効果がある可能性があるとの研究結果があることなどから、新型コロナウイルスに対しても効果が見込めると判断されているようですね。

  


Posted by 寺島寿樹  at 15:01Comments(0)薬剤

2016年08月19日

モルヒネに代わる副作用のない鎮痛薬

モルヒネと同等の鎮痛効果があるにも関わらず、副作用がないと考えられる合成薬剤の開発ができたという発表がありましたね。

まず、モルヒネの作用としては、痛みの抑制系を亢進するオピオイド受容体と結合することにより傷みを抑えるという作用があります。
ですので、主に鎮痛目的で用いられており、有効限界がないのも特徴となっていて、より強い痛みに対しては用量を増やすことで対応することが可能となっています。

また、他にも咳を抑える効果や下痢を止めるために使われることもあります。

ここまで見てみると、ものすごく素晴らしい効果ばかりではありますが、やはり良いことの裏側には副作用もあり、下痢を止めるということは、便秘にもなるということでもあり、モルヒネを使い始めたときや増量したときなどには、眠気やめまい、ぼんやりとした感じがあらわれやすくなります。

しかし、人間の体の凄さは耐性ができることにより、役1週間程度で軽減していきます。

とはいえ、モルヒネの一番やっかいな副作用は、やはり依存症になってしまうことで、この依存には「精神依存」と「身体依存」の2通りが存在しています。

精神依存については、モルヒネの使用をコントロールできなくなってしまい、モルヒネを欲してしまうようになりますし、身体依存については、モルヒネが常になければ、代謝が正常に行われなくなり、モルヒネが切れると激しい禁断症状などが起こります。

ですので、今回のモルヒネと同等の鎮痛効果を持ちつつ、副作用のない薬というのは、まさに奇跡のような薬で、いち早く医療現場で使えるようになってほしいものですね。

  
タグ :モルヒネ


Posted by 寺島寿樹  at 14:02Comments(0)薬剤

2016年08月15日

ジェネリック医薬品

ジェネリック医薬品とは、先発医薬品の特許が切れた後で、他のメーカーから販売される、先発医薬品と同じ成分、含有量、投与経路をもつ医薬品のことで、かつて日本では、特許切れと同時に数十社からゾロゾロと発売されていたって、医療関係者からは「ゾロ」と呼ばれていたことがあります。

なぜジェネリック医薬品は安く販売されているのかというと、理由としては、まず第一に先発医薬品のように莫大な研究開発費や進捗開発費などをかけずに製造できますし、その承認期間も、先発医薬品が10年~15年ほどかかるのに比べ、1年~2年で承認されるということが挙げられます。

というのも、ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を持っている上、すでに安全性、有効性などが確立されているとみなされ、承認申請に必要な書類も、先発医薬品に比べずっと、少ないのです。

経済的には優れたジェネリック医薬品ではありますが、これには問題もあり、先発医薬品と同じ有効成分量を含んでいるとはいえ、その製造工程には違いがあるため、全く同じものになることはありません。

また、添加物などでも違いが出てきますし、一概に同じ薬だから大丈夫だとは言えません。

ですので、安いからといって、安易にジェネリックに飛びつくのではなく、医者や薬剤師に、しっかりと相談するようにしましょう。

  


Posted by 寺島寿樹  at 17:04Comments(0)薬剤